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濃度の高いフッ化物配合薬用歯みがき剤の使用について

フッ素入り歯みがき剤の使用量についての日本小児歯科学会の見解です。ご参考にしていただければと思います。

日本小児歯科学会ホームページからの転載です。

世界中の多くの国において販売されている歯みがき剤の約90%以上にフッ化物(フッ素)が配合されており、むし歯予防に大変効力を発揮していることが認められています。わが国においてもフッ化物配合歯みがき剤は、最も一般的なフッ化物局所応用法の一つとなっています。
これまで、わが国で販売されていた歯みがき剤に配合できるフッ化物は1,000ppm(0.10%)が上限とされてきましたが、2017年3月17日より上限1,500ppm(0.15%)のフッ化物を配合する歯みがき剤も厚生労働省より認可されました。その理由として1,500ppmが国際基準になっており、フッ素濃度が高い方がむし歯予防効果は高く、指示されている使用量を守れば安全であることが科学的に証明されているからです1)。
しかし、6歳未満の子どもには1,000ppm以上の高濃度のフッ化物配合歯みがき剤の使用は控えること、6歳未満の子どもの手の届かないところに保管することが厚生労働省から通知されています2)。特に子どもは同じ年齢でも個人差がありますので低年齢のお子さんの使用に関しては十分注意をしましょう。
ただし初期のむし歯や歯の形成障害のために歯質の弱い歯に対しては、高濃度フッ化物配合歯みがき剤は予防効果が高いので、定期的に歯科医師のチェックを受けて、口の中の状態に合わせた使用法の指導を受けてください。

濃度の高いフッ化物配合薬用歯みがき剤の使用について

*歯みがき剤は適切な量を守りましょう。
*歯みがき剤を使用して歯をみがいた後は、少量の水ですすぎその水を吐き出しますが、うがいが完全にできない、誤って飲み込んでしまう可能性がある低年齢のお子さんの場合には特に使用量に配慮しましょう。
むし歯はフッ素だけでは予防はできません。
1. むし歯菌を減らして、そのすみかになるプラーク(歯垢)を歯ブラシで取り除きましょう。歯みがきの時にはフッ化物配合の歯みがき剤を正しく使いましょう。
2. むし歯菌の養分になるもの(糖質)を減らすために、間食に含まれる砂糖の量と回数を減らしましょう。
3. 子どもの顎の骨の中では永久歯が育っています。強い歯を作るためには、バランスのよい、特にミネラルを豊富に含んだ食事をよく噛んで食べましょう。
*正しい生活習慣を守ることがむし歯予防に繋がります。

参考文献
1) WHO expert committee on oral health status and fluoride use:Fluorides and oral health. WHO Technical Report Series No.846.1994.
2)厚生労働省:フッ化物を配合する薬用歯みがき類の使用上の注意について.http://wwwhourei.mhlw.go.jo/hourei/doc/tsuchi/T17031710030pdf
3)D.T.Zero:Effective Use of Self-care Fluoride Administration in Asia,Adv Dent Res 24(1):16-21,2012.
4)日本口腔衛生学会フッ化物応用委員会編:う蝕予防の実際 フッ化物局所応用実施マニュアル,社会保険研究所,2017

 

二子玉川ステーションビル矯正・歯科

小児歯科担当 髙見澤 豊