大分県日田市豆田町にある旧船津歯科を訪ねた。現在は、豆田まちづくり歴史交流館になっている。
建物は1914年(大正3年)建てられ、当初は4軒棟続きの長屋で、1928年(昭和3年)に歯科医院として洋風建築に改造された。3階部分は1943年(昭和18年)に増築された。
外観では、パラペットや柱型の一部がモルタル掃き付(ドイツ壁)であることや、装飾的な窓わくが特徴的である。診療室は2階にある。
2階の診療室には旧式の診療用チェア(ユニット)があったが、エアタービンという歯を削る道具でピューンと音がするものが付属していたので1960年代以降のものか。我が国初のエアタービンが1958年(昭和33年)に発売された吉田製作所のエアロマットA(単品)であり、ユニットにエアタービンが付属するようになったさらにあとである。
ユニットのメーカーを調べておけばよかったが、写真を取り忘れてしまった。ネットで検索したところ、フラターテックのブログにユニットのメーカーパネルの写真があった。代理店は鈴木歯科器材株式会社、製造はK.K.DAIKO IRYOKI SEISAKUSHO となっていた。ともに現存しない会社であった。
船津伸子先生の歯科医師免許証取得が、1942年(昭和17年)であることがわかる。開業が1928年(昭和3年)ということは、伸子先生は2代目ということか。卒業は東洋女子歯科医学専門学校である。東洋女子歯科医学専門学校については、当ブログでも紹介したことがある。伸子が、歯科医師免許取得の翌年3階部分を増築したことがわかる。
二子玉川ステーションビル矯正・歯科
小児歯科担当 髙見澤 豊