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授乳とむし歯の関係

小児歯科学会では「学会からの提言」として「小児科と小児歯科の保健検討委員会」で検討したさまざまな項目についてホームページで公開しています。

母乳とむし歯に関してその考え方を平成16年に公開し、その後平成20年に改定しています(http://www.jspd.or.jp/contents/main/proposal/index03_03.html#pro03)。

むし歯は砂糖(スクロース)をミュータンス菌が分解することにより、不溶性グルカンというネバネバを産生し菌塊(プラーク)が歯に張り付き、さらに産生された酸が歯を溶かすことでできます。

母乳に含まれる乳糖では不溶性グルカンや酸が産生できないのでむし歯の成因について不明な点もありますが、疫学的には1歳6か月時に母乳を飲んでいる子どもは飲んでいない子どもに比べてむし歯のリスク3倍くらい高いといわれています。授乳自体は母子の結びつきを育む上で重要な意味があります。学会の提言にもありますが、母乳自体は無理にやめる必要はなく自然に外れることが望ましいので、むし歯リスクが高いことに留意しながらケアしていけばいいのです。提言では、「離乳食後に丁寧に歯を磨く。離乳食後ごとに磨くのが理想であるが、難しいようなら夕食の離乳食後にしっかり磨き、他のときは水またはお茶を飲ませ、すすぎの効果を得るようにする。」とあります。歯と歯ぐきの境目の汚れが悪さすることが多いので、そこを意識して磨きましょう。

授乳とむし歯の関係

二子玉川ステーションビル矯正・歯科

小児歯科担当 髙見澤 豊