歯が痛いというとむし歯を連想する場合が多いかと思いますが、定期的に来院している患者さんで痛いという場合にはむし歯以外の原因によるものが多いです。
1.萌出性歯冠周囲炎
親知らずが生えかけのときなど腫れる場合(智歯周囲炎)がありますが、6歳臼歯(第一大臼歯)や12歳臼歯(第二大臼歯)の萌出中にも体調が落ち気味だったり、疲れが溜まっていたり、病み上がりだったりすると歯肉が腫れることあります。これは、歯冠(エナメル質の部分)の一部が歯肉におおわれていると、歯冠と歯肉の間にプラーク(歯垢〈しこう〉)などが溜まりやすくなり、歯肉が感染して炎症を起こすのが原因です。対応としては、患部の消毒や抗生剤などの処方になります。ご家庭では、歯磨き後の洗口や体調を整えるなどになります。

2.(萌出性の)歯肉弁を噛んで痛い
臼歯萌出中に覆っている歯肉が弁状になり、噛むと痛かったり、歯磨きのとき痛がることがあります。対応としては、患部の消毒や局所麻酔下に歯肉弁を切除する方法がありますが、萌出中一時的な現象のため無処置の場合も多いです。

3.動揺した乳歯が永久歯に突き上げられて噛むと痛い
乳臼歯でよくみられます。萌出中の永久歯に押されて咬合が変わってしまい、噛むと痛いのだと思われます。対応としては、咬合面を削って噛まないようにする。または抜歯になります。

むし歯以外に口内炎による痛みの場合もあるので、ご来院いただければ適宜診査の上処置させていただきます。
二子玉川ステーションビル矯正・歯科
小児歯科担当 髙見澤 豊