甘い飲み物を摂りすぎるとむし歯や肥満になりやすいのは広く知られていますが、がんリスクが高まるという報告がありました。
口腔領域の悪性腫瘍自体は小児ではまれですが、Jinhee Hurらが2021年に砂糖入り飲料の青年期と成人期の摂取量と女性の大腸がんの発症リスクについて報告しました1)。 Jinhee Hurらによると砂糖入り飲料を多飲すると50歳未満の青年および若年成人で大腸がんの発症リスクが増加するというものでした。
このことに注目してLuis Gomez-Castilloらは、口腔がんと砂糖入り飲料の関係について調べました2)。
口腔がんのリスクである「タバコ」を吸う若者は確実に減っているにもかかわらず、なぜか若い人の口腔がんが近年増えているのか。不思議に思った同氏らが目をつけたのは、「砂糖入り飲料」でした。そこで米国の女性医療従事者を長年観察しているデータベースデータを使い、「砂糖入り飲料」と「口腔がん」の関係を解析することにしました。
解析対象数は16万人強で、口腔がんの発生率は30年間で0.08%でした。
砂糖入り飲料を「毎日飲む」人は、「多くても2か月に1回」しか飲まない人に比べ、口腔がんになるリスクは4.87倍も高くなっていることがわかりました。また、「タバコを吸わない/ほとんど吸わない」人で砂糖入り飲料を「毎日飲む」人は 、この数字が5.46倍にまで跳ね上がっていました。
砂糖入り飲料の多飲は、2型糖尿病と心血管疾患のリスクも高めるといわれており、生活習慣病予防の観点からも注意が必要とのことですね。
参考文献
二子玉川ステーションビル矯正・歯科
小児歯科担当 髙見澤 豊